アナログゲーム一覧

ガイジン(ニック・サイモン) ニンジャ(九段下スミヨシ)

ガイジンとニンジャは元々ギミックの多いトリッキーキャラをコンセプトに作られたのですが、
最終的にはイベントカードのエキスパートになりました。
また、トークンの扱いも可能であり、
基本パックでは変わった事が色々できるため、
本来のデザイン通り、色々できるデッキにもなっています。

ガイジンやニンジャは他のデッキと違って、黄色いマス以外にも、
自分のメリットを起こす色でイベントカードを引く事ができる部分が最大の特徴です。
このため、イベント発生率は単純に約3倍となっています。
2倍ではなく3倍なのは黄色は7に対して青と赤は13ずつあるためです。

デメリットはポイント-1、ポイントを獲得するのがイベント次第なので、
ほとんどの場合は何も起こらない結果になります。

イベント以外にも、このゲームのシステムであるトークンも使用可能で、
手札にあるトークン名称のカードを使う事によって、
移動する前の自分がいる場所にガイジンはビックリ箱のBOX、
ニンジャは設置罠のMAKIBISHIを設置する事が出来ます。
設置されたそれらは設置箇所に止まったプレイヤーが拾い、
拾ったプレイヤーが集計時に2点減点を受けると言う物。
自分で喰らえば自分も減点!
これによって自分のポイントの増えない部分をフォローできそうですが、
相手より先行していないとならないという弱点もあります。
移動能力が平均的であるため、速い相手には中々そうも行かない事が多いですが。

切り札についてはガイジンとニンジャでそれぞれ異なり、
ガイジンは自分自身が3枚イベントカードを引く事が出来ます。
引いてから処理、を3度行なうため3つのイベント結果の合算はしません。
ポイント半減、等の数値指定ではない処理が入ると不具合が発生するためです。
それから5ポイント得て3ポイント減って2ポイント減る様をはたからみると面白いからです。
そう、この切り札は引くカードによって大きく影響するため、
終わってみたら何も起きてなかったのと同じだった、と言う事も考えられるデザインです。
しかし、噛み合うと恐ろしい爆発力を発揮したり、ゲームの様相が大幅変化します。

一方ニンジャは他人に否応無しに引かせる事が出来ます。
拡張パックのオショウやアーミーと言った、自力で引けないデッキにすら引かせます。
もっとも、イベントを無視する効果を持っているため、何も影響を与えられませんが。
この切り札のイベント発生は数が安定しない分上限も広く、
2-3人だとガイジン未満、4人なら同等、5人以上ならそれよりも多く発生します。
大人数戦で使うとガイジン以上にゲームの様相を変化させられます。
ただし、自分自身は引けない点には注意が必要です。
引く順番は、自分を始点にブッシュ周り(手番の順)に引いていきます。
順番は結構大事なので、ニンジャを使う方は是非覚えてください。

これらのデッキの戦術は、強いて言えばイベントで稼げた点と、
対戦相手に減点させる事で差をつくり、ゴールを目指す事ですが、
安定した手段ではないため、知識や実力での勝利は容易ではないのですが、
爆発的な運気の持ち主であれば圧勝できる他、
ゲームをかき回したり、盛り上げる事を重視する場合には、
非常に有効なデッキとしてデザインされています。


イヌ(ベレッタ) ドロボウ(唐草ツメ彦)

イヌとドロボウは速度を重視したデッキです。
基本パック、追加パック共通で考えてもほぼ最速クラスとなっています。
また、僅かながらも4の移動カードを持ち、移動の選択肢も広くなっています。

イヌとドロボウは、ポイントを自力で一切稼ぐ事ができませんが、
誰よりも速くゴールをする事で、大量にボーナスポイントを獲得して勝利するという
他のデッキとは違った勝利手段を展開するのが特徴です。

メリットは1進む。ブッシュマスターでは1進む=1ポイントと実質捉えられるので、
ちょっと変わった形でポイントを獲得する形式となっています。
また、進む事で不利な場所に一歩踏み込んだ状態で突入できる点や、
ブッシュマスターには戻るというイベントが比較的多くない事、
ゴールに速く到達できる=それだけ相手に手番を与えないため、
見た目以上に強力な要素を含んでいます。

デメリットは1戻る。
ポイント低下ではないので、イベントカードでポイントを手にいれた場合は減りませんが、
ポイントが無い状態でポイント-1を受けても問題ないどころか、
前進した上でポイントが減らない、ゴール時のボーナスを考えた
潜在的なポイントではむしろ増えている他のデッキに比べて、
前進した上での戻るなのでいついかなる時もこのデメリットは浮き出てきます。
また、速くゴールしないと他のプレイヤーに差を詰められる上にポイントを稼がれるので、
どこかで引っかかってしまうと以外に厳しい展開が待ち受けています。
1進むが大きなメリットであると同様に、1戻ると言うのも侮れない影響を持っています。

切り札はイヌとドロボウで異なり、
イヌは自分の手札から好きな枚数捨て、その数値の合計数進める爆発的加速を得る手段です。
4を2枚と言う状態が最も理想的で、一気に8も進める事になります。
ですが、そう簡単には揃わないので、ロボの切り札を考え、5以上であれば使い所と言えます。

ドロボウの切り札は4移動。
その移動の間に隣接、通過されたプレイヤーはポイント-1となり、
ドロボウはその減った数の総数だけポイントが増えます。
前述の通り、ドロボウはポイントを自力で減らせないので確定のリードとできる点も強み。
ただし、ポイントを持っていない相手からは取れないので注意が必要です。
普通に使って何も起きなければ4ポイント相当程度ですが、
大人数の密集する場所で使うと恐ろしいポイントと加速両方を手に入れられる
見た目以上に強力な切り札となっています。
また、取ったのが一人だけでも「相手が減って自分が増える」性質上、
取った相手とのポイント差は5ポイントである事も注目したい所です。
イヌに比べると派手な移動にはなりませんが、同等かそれ以上の能力を秘めています。

製作者としては、このイヌとドロボウのデッキは基本パックの中で最も強力であると考えています。
拡張を含めた上で考えても、恐らく上位に食い込む能力を持っているかもしれません。


ビルダー(ゼウス神山) ドクター(ケミカルウィッチ川崎)

2011年12月17日:ビルダーのデメリット部分を修正しました。

ビルダーとドクターはポイントを扱う事に長けています。
前者は足が遅いながらもポイントを増やす事が得意で、
後者は自分を省みずただ他者を陥れて減らす事に特化しています。

ビルダーとドクターはポイントを操作する能力があるといっても、
他のタイプのデッキと違い、完全な対となっていません。

ビルダーは、自分のポイントを増やす事が何よりも得意で、
初期ポイントを5持っているのも特徴の一つです。
メリットはポイント+2。他のキャラよりも多く獲得できるようになっています。
順調に進む事ができれば、あっという間に10ポイント以上にもなるでしょう。

デメリット「自分のコマを1戻す」は盤面のコマを1戻します。
メリットに対してデメリットが小さく見えるのですが、
足が遅く、1の配分が多いビルダーにとっては1戻るが以外に厳しく、
数回の手番にわたって停滞する事もあり、
そこから抜け出せない間に稼いだポイント差を埋められてしまいます。

切り札は15から山札の残り枚数を引いた値のポイント獲得。
つまり山札の減る中盤や後半になるほど大量ポイント獲得が可能となっていて、
拡張パックのアーミーの切り札や、イベントによってそれを阻止されない限りは
ゲーム終わり間際に10ポイント以上増やせるような展開もあります。
文字通りポイントでの逃げ切りに一役買う切り札となります。
山札が豊富にあるとき間違えて使わないようにしましょう。
ポイント減ることはありませんが、もったいないので。

勝利への方法はゴールではなく、ゴールされるまでに多くのポイントを稼ぎ、
最終集計後に逃げ切るか、にかかっています。

逆に、ドクターはポイントを稼ぐ能力が全くありません。
初期で5ポイント持っていますが、減ることはあっても増えません。

メリットは対戦相手全員にポイント-1効果。チーム戦だと対戦チームのみです。
影響範囲が広く、自分が増えないのに相手が減る変わった効果です。
ポイントを全く持たない相手には効きませんが、広範囲を対象にとっているので、
大体1人位は減ってくれます。
これで相対的にポイントを取った事にするのが設計上の能力です。

デメリットはポイント-2。これによって初期ポイントは瞬く間になくなっていきます。
ビルダーと違い、ゴールしないとどうにもならないのに足が遅いため、
移動の阻害はありません。テストプレイ時に全く動けなかったという事象がありましたので。

また、ドクターは他者のポイントを減らす努力を惜しまないので、
集計時にポイント-2を与えるchemicalトークンを設置できます。
ガイジンやニンジャと違い、好きな場所に設置できるため、
誰もが踏む可能性のある場所に置く事も出来ます。
トークンを拾う条件は「トークンがある場所に止まった時」であるため、
誰かがいる場所に設置したからと言ってその誰かが即座に拾うわけではありません。
chemicalトークンは手札のカード以外にも、黄色に止まった時にも設置できるようになっています。

それ以外にも変わった手札が特徴の一つであり、
skipの配分が多い他、coin+2/-1と言うカードがあります。
コインを指で弾いて青なら2進み、赤なら1戻る不安定な設計のカードです。
移動カードが1と5しかないドクターですが、これを使う事で運がいいと2進めます。運が悪いと1戻ります。
ちなみに、進んでも戻ってもカードでの移動なので色の指示には従います。
こんな妙なカードは、ドクター以外に搭載されていません。

切り札は10進みます。イヌの最大8を上回っていますが、ポイントが0になります。
既に0ならば問題なく10進めますし、ほぼ常に0のようなデッキなので、
あんまりこのデメリットは気になりませんし、使わないと勝てる見込みはそんなにありません。
初期ポイント5というのも、これのポイント0になるという効果も、
どちらかと言えばデッキの味付けの意味合いが強めです。

ドクターは机上の空論に近いのですが、ポイント低下を気にせずメリットとトークンで相手のポイントを減らしつつ、
とにかく前進してゴール、僅差で勝つのがやり方ですが、
基本的にこれを使う場合はその辺を諦めた方が気が楽でいいです。


ガングロ(おにゆり) ゴスロリ(吹雪)

ガングロ、ゴスロリデッキは基本的な使いやすさを重視した、
準ポイントタイプのオカマ、イケメンとはまた違った味付け、準スピードタイプのデッキです。
オカマやイケメンとはまた違った意味で対を成しているデザインになってます。

基本的な能力はロボに近い物があり、
移動タイプでありながらポイントが稼げるようになっています。
単純に進む戻るは調整が難しいからって理由もありますが、
ロボとほぼ同様の使い味に僅かな変化を与えたデッキというのが基本設計であるためです。

というわけでメリットはポイント+1、デメリットはポイント-1となっています。
これらの強み弱みは初期ポイント0のロボとほぼ同様で、
オカマ達と違っていきなり踏んでも減点無しで済みます。

切り札の内容は6進んでポイント-2。
オカマやイケメンと数字の配分が入れ替わった切り札で、
スタート直後に使うとデメリットが打ち消せる部分は共通していて、
更にポイントが0の時に使うとメリットのみが受けられる特徴もあります。
うまく使えば実質+6ポイント効果なのですが、
大体の場合はポイントを獲得しているので、リスク回避が難しい切り札です。
また、ゴールから5マスより近い状態だと、2ポイント減って進むマスの数から得られるボーナスポイントは、
残りマス数5から1までの間では差し引き3,2,1,0,-1となるので、ゴール付近では注意が必要です。
ポイントが0ならばそうでもありませんが、好ましくない状況であり、ゴールしても負ける可能性も。

オカマやイケメンとの対比は、ほぼ同じ使い味でありながら、
切り札と初期ポイントの変化で戦術も影響する、って意味で中々面白いんじゃないかと思います。


バトラー(燕) メイド(お宮)

バトラーとメイドデッキは、チーム支援タイプとして作られています。
つまり、シングル戦で使う事は可能でも本来の能力は発揮できません。
ポジティブチームとネガティブチームに分かれて行なうチーム戦で使ってはじめてその能力が生かされます。

基本的な部分はバトラー、メイド共に同じであり、
メリットは自分を含むチームメイトにポイント+1を与えます。
対するデメリットは自分自身に-2ポイントなのですが、
自身が2ポイント未満の場合はチームメイト全員ポイント-1となり、
自分にポイントが無い状態でもチーム全体でデメリットを負い、
3対3以上で行なっている場合は自分だけが受けるより大きな損害となります。

切り札は自分を含むチームメイトにポイント+3。
非常にシンプルな効果ですが使用のタイミングは意外に難しく、
早すぎるとその後の展開によって全員に与えたポイントが失われ、
また溜めすぎると他者の切り札でいきなり集計となり、使えない事もあるので、
見た目よりも使用タイミングが難しい切り札になっています。
テクニックとして、自分のデメリットが確定している時に使い、
チームメイト全員のポイントを下げないと言う使い方もありますが、
そもそもチームメイトがポイントを持っていない場合は、この考え自体が間違っている事になるので、
やはり自分以外の状況をしっかり見て使うのが大事となります。

基本的には自分がゴールを目指したりするわけでもなく、
派手な役割ではありません。
また、足が全デッキ中最も遅い部類に入るので、
大概は集計段階で一番後ろにいる事になりがちです。
このデッキを使う場合に気をつけたいのは、
チームメイトの支援をする事以上に悪い展開に運ばない事でもあります。
チーム内でエースよりもリーダーが向いた方へお勧めのデッキです。


エスパー(ミスタースポーク) イタコ(胡坐婆)

エスパーとイタコデッキは、自分のデッキ以外に干渉することが得意です。
直接影響ではありませんがイベントカードを見ることが出来たり、
他者の切り札に触れる切り札を持っているのが大きな特徴です。

メリットはポイント+1、デメリットはポイント-1、黄はイベントカードと標準能力ですが、
自分の手番開始の際に、イベントカードの束一番上を任意で見ることができる能力を持っています。
これによって普通なら良くも悪くも分からない黄タイルに止まった時の効果を確定させ、
それを考えた上で何処に移動するかが決められる、と言う強みを持っています。
ブッシュマスターは情報戦ではありませんが、自分だけ知っている情報と言うのは決して弱くはありません。
また、プレイヤーの立ち振る舞い一つでも強さが変化する能力であり、
デメリット効果であるにも関わらず踏みたそうなしぐさをしつつ、
あたかも手札の関係で止まれなかったように振る舞い、他者に踏ませると言う事や、
逆に踏めそうに無いメリットに対して嫌な顔をして、他者を警戒させる、
或いは全くの無表情で相手の好奇心を誘う等の動作は
ルールでは禁止されていないので、ブラフが得意な人向けの能力となっています。
また、見れないけど引くか引かないかを選べるコック、イタマエとは
良かれ悪かれ相互作用する能力であり、面白い駆け引きが発生します。

切り札はエスパーは他者の切り札と同じ効果を引き起こせます。
ロボの切り札を参照すればエスパーは5進み、
ガイジンの切り札を参照すればエスパーはイベントカードを3枚引きます。
特にガイジン、ニンジャ、イタマエの切り札は自身の能力とかみ合っているので、
参加プレイヤーに居た場合は是非活用したい所です。
そうでなくとも、他者が持っている強力な効果を引き起こせるのは強く、
プレイヤーが居るほど選択肢が広がり、現状に見合った切り札を選べるのは大きいでしょう。

一方イタコの切り札は、全てのプレイヤーの切り札の効果を「1進む」にしてしまいます。
使うタイミングは以外に広く、即座に使いオカマやイケメン、ゴスロリとガングロ等
すぐ使う事が有効な手段の一つとなるタイプの切り札を封じたり、
イヌやビルダー、ドクターと言ったまさに切り札のタイミングで使うデッキに対しても、
それらが使ってきそうなギリギリで使い、計算を狂わせるタイミングもあります。
また、これによってイタコ自身の切り札も次からは1進むになるので、
デッキが1巡してもう一度使う時には1のカードとして機能します。
効果は小さいですが2回以上は意味の無いこのカードが腐らなくなっています。

互いの切り札のイメージが逆かもしれませんが、色々ありまして、入れ替わりました。

移動能力は若干遅いくらいですが、危機回避能力は高く、
危険の小さい進行を可能としている他、
心理戦を得意とする人には比較的向いている部類のデッキとなっています。


オショウ(ガンジー和上) アーミー(アバンテ武井)

オショウ、アーミーはイベントカードを完全に遮断してしまう、
運の依存が小さい詰め将棋のような展開を可能としているデッキです。

オショウ、アーミーともにメリットはポイント+1、デメリットはポイント-1ですが、
唯一黄タイルでイベントカードを引けない、どころか何も起きないデッキとなっています。
また、特殊能力でイベントカードのあらゆる干渉を遮断してしまう事が出来ます。
全てのプレイヤーは手前の青タイルまで戻る指示でも一人戻らず、
全てのプレイヤーは先の赤タイルまで進む指示でも一人進みません。
そのため、いい事も悪い事も全て受け付けない一長一短な能力とも言えます。
ニンジャの切り札やタンテイ、スパイのトークン効果においても
イベントカードを引きはしますがその指示には一人だけ従わず、
自身のみに影響を与える場合は何も起きず、他者に影響を与える場合はちゃんと与えます。
あくまで、何処でどんな風にイベントが起きても、自分だけは何も受けないと言う能力です。

オショウの切り札は、山札から最大で3枚のカードを抽出し、
残りをシャッフルして戻した後に好きな順番で抽出したカードを上に積みます。
言ってみれば、より正確な詰め将棋を行なうようになります。
使用したターンは動けず、また後半では遅すぎて真価を発揮できないのですが、
序盤から中盤において好きな所へ好きなようにいける、と言うのは非常に強く、
自分の嫌な所を最低限の手数で突破、いい所で留まって得点を得る、
都合のいい場所に止まって行ける等の強さを持っています。
早いうちに来たらその場で使用するくらいでもよく、
逆に遅く引いてしまったら使わずに前進するのも大事なので、
後半使うかどうかにプレイヤーの判断力が試されます。

アーミーの切り札は全員のデッキを初期状態にしてしまえます。
自分の精密性を上げるのではなく、他者の精密性を下げる切り札です。
特にビルダーの切り札には効果が大きく、切り札ありきの展開になっているのを確実に阻止できます。
また、数字の小さいカードをやっと使い切ったドクターや、
同タイプである切り札使用後のオショウにも効き目は大きいです。
反面、ある程度早いカードを使った後のイヌやドロボウ、
手札に融通が利きすぎるジョーカーには支援をしてしまう弱点を持っています。
対象はシングル戦でもチーム戦でも変わらず、後者においてはチームメイトの使用済みエリア状況を見て、
切り札を使いチームメイトの山札を再活性させる使い方も視野に入ります。
その時対戦チームも初期状態になってしまうので、ゲーム全体での利害を考える必要があります。

オショウは自分自身を精密に、アーミーは他者を不安定にしていき、
自分はとにかく堅実に確実に前進していく戦術が最も取りやすいデッキとなっています。


コンビ(川中島&小松島) ファミリー(善子と凶次)

コンビ、ファミリーは2人で1つのデッキです。
2人1組なので、ポジティブでもありかつネガティブでもある、ハイブリッドタイプのデッキです。
つくりが複雑で、ルール把握に手間が掛かるので、
なれてきたプレイヤー向けのデッキとなっています。

メリットはポイント+2と1戻る。
両者を足すと潜在的なポイントは+1相当でありながら、使い道は並のそれらと違い、
1ばかりの手札であれば、一所に留まってポイントを稼ぐ事が可能となっています。
これを積極的に踏む場合、盤面の前進は諦め、
とにかくポイントを稼いで逃げ切るビルダーのような形になります。

デメリットはポイント-2と1進む。
こちらは両者を足すとポイントは-1相当。
ゴールに近づくと言うだけでも良い働きになる場合があります。
これを積極的に踏む場合は、ポイントを0で維持し、
ゴールのボーナスに勝負を託す形になるのですが、
スピードタイプよりは決定的に遅く、基本移動力も高くは無いため、
ロボ以上の機動力を持ったデッキ相手にスピード勝負に持ち込まれた時は有利とはいえません。

メリット、デメリットともに片方を集中して踏む事が大事となり、
両者を半端に踏むとどっちつかずの結果となってしまうのが弱点です。
ゲーム開始時にポイントを考えずゴールを目指すか、
ポイントを稼いで逃げ切るかを選ぶ必要があります。

切り札は2種類から選べる分弱くなっており、
どちらを選んでもロボの5進むよりも効果が小さい物となっています。
コンビは「4進む」か「自分以外3戻る」、ファミリーは「ポイント+4」か「自分以外ポイント-4」です。
自分を伸ばすか他者を縮めるかのどちらが有効かで決まります。

ハイブリッドの意味は「ポジティブでもあり、ネガティブでもある」ため、
イベントカードでどちらかを参照する場合は常に該当し、
「ポジティブの場合は1進み、ネガティブの場合は1戻る」と言う場合にはやはり両方を参照します。
そのため、上記の指示の場合は合算して「動かない」形になります。
(ポジティブの場合は2進み、ネガティブの場合は1戻る、の場合は合算して1進みます)
イベントにおいては常に色んな影響を受けるため、それが良くも悪くも働くようになっていますが、
両方を参照する場合は大体何も起こらないでしょう。

また、ハイブリッドタイプはチーム戦では使用不可能です。

青と赤の効果が多様で、意外な作用を持ち合わせていたりするので、
それらをうまく利用すれば状況や対戦相手に合わせた面白い動きができるデッキです。


セキトリ(荒塩) フクメン(ゴールドマスク津丹)

セキトリ、フクメンデッキは初期ポイントが15と非常に高いデッキですが、
代わりに自力でポイントを稼ぐ事が非常に苦手なデザインとなっていて、
基本的にはポイントを守り抜きながら、ゆっくりと前進していく形になります。

セキトリ、フクメンともにデメリットはポイント-1。
貴重なポイントを奪われるのでこれだけは絶対に避けたい場所でもあります。
メリットは何もありません。セキトリは赤、フクメンは青を踏んでも何も起きないようになっています。
何もないのですが、減らすと取り戻すのが大変なデザイン上、
他のデッキ同様これを狙っていくのが主体になります。
言ってみれば先払いしてもらったポイントに対する対価のようなものです。

切り札はセキトリが自分のポイントを10にします。15でも5でも10になります。
基本的な使い方はポイントの回復となりますが、多いうちは使い道が無いとってもいいくらいの物になります。
純粋に回復のための切り札であるため、ゲーム終了間際に減ってきたら使う形になりますが、
基本的には使わない状態を維持できる事が望ましいので、切り札と呼んでいいかいささか疑問があります。

フクメンの切り札は、手札を一枚公開し、その数値分だけ対戦相手を減らし、自分は増やします。
フクメンもまた、これが唯一の回復手段となりますが、
いつ使ってもしっかり増える事と、対戦相手も減らせる事がセキトリと比べて長所であり、
自分のポイントが極端に減っている時には効果が小さいのが短所となっています。
唯一、入っている4のカードがうまく使えれば効果は大きいのですが、
足の遅いフクメンは1や2の比率が多いため、切り札を使いたい時に無いと言うこともままあります。

基本は足は遅いけど前進して、ポイントで逃げ切りがスタイルになりますが、
作りがシンプルで非常に分かりやすいデザインとなっています。


ベビー(テルヤマ赤子) キッズ(テルヤマ蒼馬)

ベビーとキッズは、他者に支援をしてもらうような形をとるデッキです。
ゲーム開始時にベビーはmilk、キッズはsnackトークンを盤面に5つ設置した状態でゲームを始められます。
このトークンは、「自分以外に拾ってもらう事で、集計時にポイント+2」と言う変わった性質を持っています。
集計時に手に入るため、拾ってもらえば確定の2点として固定されるのが強みです。

メリットはポイント+1、デメリットはポイント-1。
黄タイルはイベントカードと基本性能は非常にシンプルになっています。
切り札はキッズ、ベビーともにトークンを3つ設置します。
好きな配分で設置できるので、一点集中で大きく狙うか、
分散して確実に拾ってもらうかが考え所で、
初期配置の5つと組み合わせてどうしても拾わざるを得ない状況を作る事も可能です。
不安定ながらも6ポイント相当の動作が取れるため、
切り札の基本的なスペックをクリアしているのも使いやすい要素でしょう。

移動力が低いため、撒いたトークンをうまく拾ってもらう事で手に入るポイントを頼りに、
ポイントを伸ばして勝利するのが大事なデッキです。
また、トークン周りの動作で少し覚える事がありますが、
ゲーム中の動作はロボとほとんど変わらず、単純である事と、
デッキのカード配分にもトークン設置カードは無く、シンプルになっているため
変わった動作をするにも関わらず、使いやすさがあるデッキとなっています。